画面に障害物を置いてボールを反射させるプログラムを作ろう
今回はPygameのスプライトを使って、画面上の障害物にボールを反射させるプログラムを作ります。
画面中央にスプライトでブロックを作り、同じくスプライトで作ったボールを移動させて、ボールがブロックに接触したらボールを反射させます。
ボールとブロックの画像ファイルは、あらかじめPythonスクリプトと同じディレクトリに置いておきます。
Pygameの詳しい使い方は、Pygame公式サイトを参照してください。
Pythonスクリプト
今回のスクリプトは、以下のようになります。
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### インポート import sys import pygame from pygame.locals import * ### 定数 SURFACE = Rect(0,0,640,400) # 画面設定(X軸,Y軸,横,縦) DIST = 5 # ボール移動距離 ############################ ### ブロッククラス ############################ class Block(pygame.sprite.Sprite): ############################ ### 初期化メソッド ############################ def __init__(self, name): pygame.sprite.Sprite.__init__(self) ### ファイル読み込み self.image = pygame.image.load(name).convert() ### ブロックサイズ設定 self.image = pygame.transform.scale(self.image, (200,100)) ### ブロックを矩形オブジェクトとして生成 self.rect = self.image.get_rect() ### ブロック位置(画面中央に配置) self.rect.centerx = SURFACE.right / 2 self.rect.centery = SURFACE.bottom / 2 ############################ ### ブロック描画 ############################ def draw(self, surface): surface.blit(self.image, self.rect) ############################ ### ボールクラス ############################ class Ball(pygame.sprite.Sprite): ############################ ### 初期化メソッド ############################ def __init__(self, name, block): pygame.sprite.Sprite.__init__(self) ### 透過変換でファイル読み込み self.image = pygame.image.load(name).convert_alpha() ### ボールサイズ設定 self.image = pygame.transform.scale(self.image, (20,20)) ### ボールを矩形オブジェクトとして生成 self.rect = self.image.get_rect() ### 移動距離設定 self.mv_x = DIST self.mv_y = DIST ### ブロック参照用 self.block = block ############################ ### ボール更新 ############################ def update(self): ### ボール移動 self.rect.move_ip(self.mv_x, self.mv_y) ### ボールとブロックの接触判定 if self.rect.colliderect(self.block.rect): ### ブロックの左右に接触 if self.rect.centerx > self.block.rect.left and self.rect.centerx < self.block.rect.right: ### 連続する接触を回避するため瞬間的に移動距離を大きくする self.mv_x = self.mv_x * 2 self.mv_y = -self.mv_y * 2 ### ブロックの上下に接触 elif self.rect.centery > self.block.rect.top and self.rect.centery < self.block.rect.bottom: ### 連続する接触を回避するため瞬間的に移動距離を大きくする self.mv_x = -self.mv_x * 2 self.mv_y = self.mv_y * 2 ### ブロックとボールが接触していない場合 else: ### X軸の移動距離を戻す if not(self.mv_x == DIST or self.mv_x == -DIST): if self.mv_x < 0: self.mv_x = -DIST else: self.mv_x = DIST ### Y軸の移動距離を戻す if not(self.mv_y == DIST or self.mv_y == -DIST): if self.mv_y < 0: self.mv_y = -DIST else: self.mv_y = DIST ### 画面の範囲外ならボールの移動方向を反転 if self.rect.left < 0 or self.rect.right > SURFACE.width: self.mv_x = -self.mv_x if self.rect.top < 0 or self.rect.bottom > SURFACE.height: self.mv_y = -self.mv_y ### ボールを画面内に収める self.rect = self.rect.clamp(SURFACE) ############################ ### ボール描画 ############################ def draw(self, surface): surface.blit(self.image, self.rect) ############################ ### メイン関数 ############################ def main(): ### 画面初期化 pygame.init() surface = pygame.display.set_mode(SURFACE.size) ### スプライトを作成 block = Block("block.png") ball = Ball("ball.png", block) ### 時間オブジェクト生成 clock = pygame.time.Clock() ### 無限ループ while True: ### フレームレート設定 clock.tick(60) ### 背景色設定 surface.fill((0,0,0)) ### ブロック描画 block.draw(surface) ### ボール位置更新 ball.update() ### ボール描画 ball.draw(surface) ### 画面更新 pygame.display.update() ### イベント処理 for event in pygame.event.get(): ### 終了処理 if event.type == QUIT: exit() ############################ ### 終了関数 ############################ def exit(): pygame.quit() sys.exit() ############################ ### メイン関数呼び出し ############################ if __name__ == "__main__": ### 処理開始 main() |
スクリプト解説
22~25行目
ブロックの画像ファイルを読み込み、pygame.transform.scale()を使ってサイズを変更します。
28行目
Surface.get_rect()を使って、矩形オブジェクトを作成します。
31、32行目
Rectオブジェクトのcenterxとcenteryに画面中央の座標を指定します。
これによりブロックを画面の中央に配置します。
38行目
Surface.blit()を使って、ブロックを描画します。
52~55行目
ボールの画像ファイルを読み込み、pygame.transform.scale()を使ってサイズを変更します。
58行目
Surface.get_rect()を使って、矩形オブジェクトを作成します。
61、62行目
ボールの移動距離を設定します。
65行目
ボールクラスで参照するブロックを設定します。
73行目
Rect.move_ip()を使って、ボールオブジェクトを移動させます。
76行目
Rect.colliderect()を使って、ボールとブロックが重なっているかどうかを判定します。
79~83行目
ボールがブロックの左辺か右辺に当たったかどうかを判定します。
当たっていたら、ボールの移動する向きを反転させます。
その際、ボールの移動距離を倍にして、次の接触判定の時にボールがブロックに接触しないようにします。
86~90行目
ボールがブロックの上辺か下辺に当たったかどうかを判定します。
当たっていたら、ボールの移動する向きを反転させます。
その際、ボールの移動距離を倍にして、次の接触判定の時にボールがブロックに接触しないようにします。
93~107行目
ボールがブロックに接触していない時に、ボールの移動距離が定数で指定した値以外だったら、移動距離を元に戻します。
なお、Pygameのスプライトに関しては、以下の記事も参考にしてください。