Pythonスクリプト【スレッドを使おう③～daemon】

前回

Pythonのスレッドをデーモンにしよう

前回までのプログラムでは、ウィンドウの✕ボタンを押して中断すると、コンソールに以下のようなエラーが出力されてしまいます。

 エラーメッセージ
RuntimeError: main thread is not in main loop

スレッドをデーモンにする

スレッドをデーモンにするには、スレッドを作成する時にdaemonオプションをTrueにします。

オブジェクト名 = threading.Thread(target=呼び出し可能オブジェクト, daemon=True)

注意

スレッドをデーモンにすることによって、このエラーメッセージを回避できます。
ただし、デーモンスレッドは終了時にファイルやDBなどのリソースを適切に開放しないため、重要なデータを扱うようなプログラムでは、スレッドをデーモンにすることは推奨しません。

スレッドをデーモンにするプログラム

スレッドをデーモンにするプログラムは、以下のようになります。
前回のプログラムとの違いは、34、35行目のスレッドの作成で、daemonオプションを追加したのみです。
プログラムの動きは、前回の記事を参照してください。

### インポート
import time
import tkinter
import threading

### 関数
def func(num, gap, pos_x, pos_y):

    ### 変数宣言
    cnt = 0

    ### 10未満の間ループ
    while cnt < 10:

        ### カウントアップ
        cnt += num

        ### キャンバス書き込み
        id = canvas.create_text(pos_x, pos_y, text=cnt, font=(None,48))

        ### 待ち時間
        time.sleep(gap)

        ### キャンバス初期化
        canvas.delete(id)

### キャンバス作成
canvas = tkinter.Canvas(master=None, width=420, height=200)

### キャンバス表示
canvas.pack()

### スレッド作成
thread1 = threading.Thread(target=func, args=(1,1,140,100), daemon=True)
thread2 = threading.Thread(target=func, args=(2,2,280,100), daemon=True)

### スレッド開始
thread1.start()
thread2.start()

### イベントループ
canvas.mainloop()

### インポート

import time

import tkinter

import threading

### 関数

def func(num, gap, pos_x, pos_y):

### 変数宣言

cnt = 0

### 10未満の間ループ

while cnt < 10:

### カウントアップ

cnt += num

### キャンバス書き込み

id = canvas.create_text(pos_x, pos_y, text=cnt, font=(None,48))

### 待ち時間

time.sleep(gap)

### キャンバス初期化

canvas.delete(id)

### キャンバス作成

canvas = tkinter.Canvas(master=None, width=420, height=200)

### キャンバス表示

canvas.pack()

### スレッド作成

thread1 = threading.Thread(target=func, args=(1,1,140,100), daemon=True)

thread2 = threading.Thread(target=func, args=(2,2,280,100), daemon=True)

### スレッド開始

thread1.start()

thread2.start()

### イベントループ

canvas.mainloop()

上記のプログラムでは、ウィンドウの✕ボタンを押下した場合はエラーになりませんが、コンソールからCtrl-Cを押下して強制終了させた場合はエラーが出力されてしまいます。
このエラーを表示させたくない場合は、mainloop()を呼び出すところに、try～except文で例外処理(KeyboardInterrupt)を追加します。

### インポート
import time
import tkinter
import threading

### 関数
def func(num, gap, pos_x, pos_y):

    ### 変数宣言
    cnt = 0

    ### 10未満の間ループ
    while cnt < 10:

        ### カウントアップ
        cnt += num

        ### キャンバス書き込み
        id = canvas.create_text(pos_x, pos_y, text=cnt, font=(None,48))

        ### 待ち時間
        time.sleep(gap)

        ### キャンバス初期化
        canvas.delete(id)

### キャンバス作成
canvas = tkinter.Canvas(master=None, width=420, height=200)

### キャンバス表示
canvas.pack()

### スレッド作成
thread1 = threading.Thread(target=func, args=(1,1,140,100), daemon=True)
thread2 = threading.Thread(target=func, args=(2,2,280,100), daemon=True)

### スレッド開始
thread1.start()
thread2.start()

### 例外処理
try:
    ### イベントループ
    canvas.mainloop()

### キーボード割込み
except KeyboardInterrupt:
    pass