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計算尺の使い方【第1回 計算尺の構造】

 

計算尺とは?

計算尺(けいさんじゃく)とは、対数の原理を使ったアナログ計算器で、足し算や引き算はできませんが、掛け算、割り算、平方根、立方根、三角関数などの計算ができます。
ただし、目盛りを読み取って計算結果を取得するので、おおよその値しか分かりません。
現在では計算尺はほとんど使われていませんが、宮崎駿監督の「風立ちぬ」で主人公の堀越二郎が戦闘機の設計をする際に使っていたり、人気RPGファイナルファンタジーXIIでは、キャラクターが使う武器として登場しています。

 

計算尺の構造

ここからは、ヘンミ計算尺のNo.34RKを元に説明します。
これはマンハイム式計算尺といい、最も古くから世界的に使われた計算尺です。
計算尺は固定した2本の尺と、その間にある動く尺からできていて、固定した部分を本尺、動く部分を滑尺といいます。
本尺と滑尺にまたがって動くガラス板をカーソルといい、ガラス板の中央に刻まれた赤い線をカーソル線といいます。
本尺や滑尺にはC尺やD尺といった名称の尺度があり、細かな線を目盛りと呼びます。
また、各尺の両端の1が刻まれた目盛りを、特に基線といいます。

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表面左側の A、B、CI、C、D、K は、それぞれ A尺、B尺、CI尺、C尺、D尺、K尺と呼びます。
計算する内容によって使う尺が変わりますが、単純な掛け算や割り算で使う尺は CI尺、C尺、D尺です。

計算尺には裏面もあります。

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裏面右側の S、L、T は、それぞれS尺、L尺、T尺と呼びます。
こちらの尺は、三角関数や対数の計算で使います。

注意ポイント

計算尺の目盛りは、自分で位取りをしなければなりません。
例えば、計算尺に書かれた目盛りが 、1.5なのか15なのか150なのかは、計算する値によって自分で判断する必要があります。

 

 

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