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計算尺の使い方【第4回 平方と平方根】

 

 

計算尺を使った平方と平方根の求め方

計算尺を使うと、平方(2乗)と平方根を簡単に求めることができます。
下図のように、A尺とD尺が平方と平方根の関係になっていて、A尺がD尺の平方、D尺がA尺の平方根になります。

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①を見ると、A尺が2、D尺が1.4なので、2の平方根が1.4、1.4の平方が2ということが分かります。
同様に、②は4の平方根が2、2の平方が4、③は9の平方根が3、3の平方が9、④は16の平方根が4、4の平方が16になります。

 

平方の掛け算と割り算

平方の値を含む掛け算と割り算の答えは、常にA尺上に出てきます。
なお、計算尺はアナログ計算器なので、計算式によっては大体の値しか分かりません。
これは普通の定規でも同じですね。

 

平方の掛け算

平方の掛け算は、A尺とCI尺を使います。
下図では、 \(9.6 \times 2.7^2\) の計算をしています。
赤枠部分のように、A尺の9.6とCI尺の2.7を合わせます。
答えは、滑尺の右側の基線の位置にあるA尺の値です。(青枠部分)
A尺を見ると、大体70くらいということが分かります。
(実際の値は69.984)

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平方の割り算

平方の割り算には、割る値が平方の場合と割られる値が平方の場合の2種類あり、使う尺が違います。
割る値が平方の場合は、A尺とC尺を使い、割られる値が平方の場合は、D尺とB尺を使います

下図は割る値が平方の場合で、A尺とC尺を使って \(8.4 \div 2.45^2\) の計算をしています。
赤枠部分のように、A尺の8.4とC尺の2.45を合わせます。
答えは、滑尺の左側の基線の位置にあるA尺の値です。(青枠部分)
A尺を見ると、大体1.4くらいということが分かります。
(実際の値は1.39941691)

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下図は割られる値が平方の場合で、D尺とB尺を使って \(3.5^2 \div 19.5\) の計算をしています。
赤枠部分のように、D尺の3.5とB尺の19.5を合わせます。
答えは、滑尺の右側の基線の位置にあるA尺の値です。(青枠部分)
A尺を見ると、大体0.63くらいということが分かります。
(実際の値は0.6282051282)

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平方根の掛け算と割り算

平方根の値が含まれる掛け算と割り算の答えは、常にD尺上に出てきます。

 

平方根の掛け算

平方根の掛け算は、A尺とCI尺を使います。
下図では、\(\sqrt{9.6} \times 2.7\) の計算をしています。
赤枠部分のように、A尺の9.6とCI尺の2.7を合わせます。
答えは、滑尺の右側の基線の位置にあるD尺の値です。(青枠部分)
D尺を見ると、大体8.35くらいということが分かります。
(実際の値は8.365644028)

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平方根の割り算

平方根の割り算には、割る値が平方根の場合と割られる値が平方根の場合の2種類あり、使う尺が違います。
割る値が平方根の場合は、D尺とB尺を使い、割られる値が平方根の場合は、A尺とC尺を使います
平方の割り算とは逆になるので注意してください。

下図は割る値が平方根の場合で、D尺とB尺を使って \(3.5 \div \sqrt{19.5}\) の計算をしています。
赤枠部分のように、D尺の3.5とB尺の19.5を合わせます。
答えは、滑尺の右側の基線の位置にあるD尺の値です。(青枠部分)
D尺を見ると、大体0.79くらいということが分かります。
(実際の値は0.7925939239)

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下図は割られる値が平方根の場合で、A尺とC尺を使って \(\sqrt{8.4} \div 2.45\) の計算をしています。
赤枠部分のように、A尺の8.4とC尺の2.45を合わせます。
答えは、滑尺の左側の基線の位置にあるD尺の値です。(青枠部分)
D尺を見ると、大体1.18くらいということが分かります。
(実際の値は1.18296953)

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